【無名録】「高売り宣言」でNo.1(産経新聞)

 他店よりも1円でも安く−。新宿戦争、池袋戦争といわれる家電量販店のキャッチフレーズだ。

 十数年前、東京・町田にも量販店の出店ラッシュが始まった。安売りに対抗できる大手でも、家族だけで経営する「パパママショップ」でもない社員40人の「でんかのヤマグチ」の生き残り策は堂々の「高売り宣言」だった。

 社長の山口勉さん(67)は「安くできなくてすみませんという気持ちを徹底的なサービスで埋めるしかなかった」。20万円前後の冷蔵庫やテレビでは3〜4万円の価格差が出るが、それでも売れる。これまでのハイビジョンテレビの販売累計が全国のパナソニック店でトップである。

 「牛乳と砂糖を買ってきて」「植木に水をやって」「重いのでタンス動かして」「わからないからドラマを録画して」。外回りの営業マン17人が御用聞きサービスで「街の便利屋」に徹している。山口さんは「効率は悪いですが、昔の商売のやり方ですね」。ダイレクトメールを出す顧客3万4千人も1万2千人まで絞り、かゆいところに手が届くようにした。

 10代から車に道具を積み「修理はありませんか」と声をかけながら街を回り、23歳で念願の店を構えることができた。50年近くも地域住民とともに育ってきた。顧客の平均年齢は64歳。高齢者社会の時流にも乗った。「配線以外にもこんなことをしてくれるよ」という口コミで毎月100人以上も顧客が増えている。

 他店のチラシを見たことがなく、行ったこともないという。「見たら迷うでしょう。迷ったらだめです。自分が信じる道を突き進む方がいい」。山口さんに今後の目標を尋ねた。「お客さまから留守の間にうちに泊まってといわれることです。そこまで信頼されるようになったら、こんなうれしいことはない」。電器店とは思えない言葉が返ってきた。(将口泰浩)

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